日本人の平均寿命は、依然として高く、女性は長寿世界一、男性は世界でもトップクラスの座を守り続けています。
平均寿命は男性79.59歳、女性86.44歳(平成21年 簡易生命表)という高齢化を迎えた今、定年退職後の必要保障額も準備する必要が不可欠となってきました。
日本人にとって最も深刻なリスクは「長生きのリスク」になってきたのです。
「長生きのリスク」に対応するのが老後の生活費、つまり年金となります。
年金制度は、大きく分けると「公的年金」と「私的年金」がありますが、大きな柱は公的年金となっているのが今の現状です。
しかし、日本の公的年金は「世代間扶養」といって、年金原資を提供する世代全体で、その時代の高齢者の生活を支えていこうとする考え方に基づいているため、次の世代が前の世代を扶養する制度となっています。
日本の「少子高齢化」は、今後一段と進み、2050年には約2.5人に1人が65歳以上の高齢者になる見込みです。

(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」平成18年12月推計)
定年退職60歳からの人生はおよそ20年もあります。
それを支える老後資金を安全・確実に貯めていくことが重要です。
そこでまず、老後資金の準備への不安を取り除くために、年金のしくみを簡単に勉強してきましょう。
現在の年金制度には、大きく分けて法律に基づく公的年金と任意に加入する私的年金の2種類に分けられます。

公的年金は、国民年金、厚生年金、共済年金のことです。
細かくいえばほかにも国民年金基金などがあるのですが、今回は簡略化して全体像をつかむのを目的にします。
それぞれを簡単にいえば、
国民年金は20歳以上60歳未満の全国民が加入しなければならないもの
厚生年金は民間サラリーマンへの上乗せ年金
共済年金は公務員などへの上乗せ年金
ということになります。
図で示せば、こんな感じになります。

あなたの職業から加入する年金を見れば、下のようにまとめられます。
あなたが民間サラリーマン(会社員)なら |
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国民年金
厚生年金 |
あなたが公務員、私立学校の教職員、
農協など農林漁業団体の職員なら |
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国民年金
共済年金 |
あなたが自営業者か、その人に扶養されている
配偶者なら |
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国民年金 |
あなたが会社員・公務員の配偶者なら
(サラリーマンの奥さまはここです!) |
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国民年金 |
2004.9.19記事 2011.3更新 |