2009年の年間死亡者数は114万1千人、そのうちがんで亡くなった方は34万人と、日本人のおよそ3人に1人が、がんで亡くなっているのです。
現在、日本人の2人に1人はがんになるといわれ、がんは「国民病」といえるほど身近な病気になっております。だれもががんになる可能性がありますから、いざというときにあわてないように、普段からがんへの対処法を考えておきたいものです。
がんはどんな病気なのか、どうしておこるのか、がんの予防に大切なのは何か、まず、がんの基礎知識を正しく身につけておきましょう。
だれにでもおこり得る病気
ヒトの体ではたえず細胞分裂が行われ、新しい細胞がつくられています。細胞の設計図であるDNAが複製されることで、新しい細胞がつくられるのですが、健康な人でもさまざまな原因でDNAが傷つき、
DNAの複製ミスがおこることがあります。
すると、設計図がまちがっているため、異常な細胞がつくられてしまいます。こうした異常な細胞は自然に死んでしまうことが多く、免疫細胞によっても退治されるのですが、がんに関係する遺伝子に異常があったり、免疫細胞が働きにくい環境にあったりすると、まれに生き残ってしまうことがあります。
これががん細胞です。
がんに関係する遺伝子は、がんを促進する遺伝子、がんを抑制する遺伝子、傷ついたDNAを修復する遺伝子などが知られています。また、食生活や喫煙、ウィルス感染、ストレスなどがあると、免疫細胞が働きにくいと考えられています。
がん細胞は、異常なDNAを複製してどんどん増えてしまう性質があり、やがて大きなかたまりとなって、臓器や組織を侵していきます。このようながん細胞の増殖は、誰にでも起こり得ることといえます。
2004.7.4記事 2011.3更新 |