生命保険には、「定期保険」「終身保険」「養老保険」の3つのタイプがあります。定期付養老保険とは、「養老保険」に「定期保険」をセットした保険です。
あなたにあった死亡保険を選ぶためには、「定期付養老保険」がどんな保険であるかを知っておく必要があります。なぜなら、この保険の問題点に早く気づいてもらいたいからです。あなたが満期時にこの保険が待ち構えている問題に初めて気づいて、困る事態になってほしくありません。
このページでは、定期付養老保険のしくみと問題点について説明します。
定期付養老保険は、死亡時と満期時の保険金額が異なる保険
定期付養老保険とは、一定期間に亡くなったとき、一時金で死亡保険金が、あるいは、満期まで生存したときに満期保険金が受け取れる保険です。文字通り、養老保険に定期保険が付いているだけなので、分離して考えるとわかりやすいです。
通常の養老保険は死亡時も満期時も同額の保険金が支払われますが、定期付養老保険は同額ではなく、死亡保険金は満期保険金の2倍、5倍、10倍といった手厚い額となります。養老保険は、満期金があるのがメリットですが、定期保険と同じ保険金額で保険料を比較すると割高になります。
ある程度の死亡保障が欲しいけど、高い保険料は支払えないし、そうはいっても、満期がきたときにすべて掛け捨ては困るという方もいます。そこで、最低限の満期保険金を「養老保険」で用意し、不足する保険金額を割安な保険料の「定期保険」で用意する「定期付養老保険」が一つの保険加入プランとなりました。
「養老保険」という名前が付いているため、加入している人は、死亡保険金も満期保険金も同額と思っている人が多いのが現状です。
定期付養老保険といえば、かんぽ生命の「特別養老保険」
昭和23(1948)年に2倍型、昭和34(1959)年に3倍型が発売され、昭和55(1980)年代までの漢字生保の主力商品となり、現在はかんぽ生命の「特別養老保険」が代名詞となっています。普通養老保険と特別養老保険は、「はあとふるプラン」と「フリープラン」の2つが並行して販売されていましたが、「はあとふるプラン」は平成14(2002)年6月30日に販売中止となりました。
参考までに、下記に種類一覧をまとめますが、「普通養老保険」も「特別養老保険」も商品名(ペットーネーム)は同じですので、しくみの違いを認識することが大事です。
これをイメージ図に表すと、以下のようになります。
養老保険の比率よりも、定期保険の割合が高い場合、保険料は割安になりますが、貯蓄性はほとんど期待できません。 また、保険料の支払いは一定期間で終わるものの、養老保険の部分は、養老保険に医療特約をつけていると、満期を迎えたときに、同時に医療保障も終了してしまいます。
このことに満期が到来したときに、気づいてほしくありません。
貯蓄性を期待して加入した方は、養老保険と勘違いしていないか、確認してください。また、定期付養老保険は、新規で加入するのはお勧めしないのはもちろんのこと、既に加入している方は貯蓄性が低くなっているため、見直しをすることをお勧めします。