お金を増やしたい人「預貯金しているけど、なかなかお金が増えないなぁ。米国債を購入した方が良いと聞いたけど、なるべくリスクが低い運用をしたいです。でも、お金は増やしたいですので、誰か教えてください。」
こういったお金を増やしたい初心者向け。
本記事では『米国債を購入して、リスクを最小限でお金を増やす方法』を解説します。
なぜなら日本より国債の利回りが高く、格付けが高い国はアメリカだから。
記事をしっかり読んで、米国債を購入する3つの理由を理解しましょう。
記事の信頼度
私はファナンシャルプランナー(FP)として個人・法人問わず資産形成コンサルをしています。コンサルと聞くと怪しいかもしれませんが、私はブログにて資産形成の一部を公開しています。
実際の数字や方法を見ていただいて、記事の信頼度を判断いただけたらと思います。
米国債の購入ができない人は『一生初心者』である理由
米国債を購入するということは、債券に投資することになります。
債券は国や企業などが資金を調達するために発行する証券で、アメリカが発行するから米国債となります。
預貯金は日本の国債を買っているのと同じです。それ意味ありますか?
個別相談で、「財形で●万円、銀行で●万円を積み立ています」とおっしゃる方がいますが、私が思うに、日本の国債を買っているのと同じことと理解している人は限りなく少ない。
いつまで日本国債を購入し続けますか?
早く米国債を理解して、お金が増えない日本債券から抜け出しましょう。
預貯金に関しては預貯金のメリットとデメリットを整理した【脱・預貯金のススメ】で解説しています。参考までにご覧ください。
米国債を購入する3つの理由を解説します
- 理由①:利回りも格付けも高いから
- 理由②:機動的に金利を上げられるから
- 理由③:米ドルが強いから
米国債の購入に関する他サイトの記事を見ていると、購入方法ばかりにフォーカスしていて、全体像が見えづらくなっています。本記事では、一歩引いた視点から解説しますね。
理由①:利回りも格付けも高いから
海外に目を向けてみると、日本以外にも魅力的な国があります。日本より国債の利回りが高く、格付けが高い国はアメリカです。
日本国債と米国債の比較
日本国債と米国債の比較は以下の通り。
30年国債利回りを比較すると、日本が0.64%で、アメリカは1.26%と3倍強の利回り。S&Pの格付けでは、日本のシングルA+に対し、アメリカはダブルA+と信用は上回っています。
比較すると米国債が利回りも格付けも日本国債より優位性があることがわかります。
理由②:機動的に金利を上げられるから
インフレに対して金利を上げられるかの結論は以下です。
- アメリカ:インフレに対して機動的に金利を上げられる
- 日本:インフレに対して機動的に金利を上げられない
真逆です。この理由を解説します。
アメリカは機動的に金利を上げることができる
アメリカの政策金利は、FRB(米連邦制度準備委員会)が決めています。
例えば、以下のグラフのように、1993年から1997年まで、2003年から2006年まで、2015年から2018年にかけて、物価上昇期のときに金利を上げました。
このように、アメリカはインフレに対して機動的に金利を上げることができます。
日本は機動的に金利を上げることができない
日本の政策金利は、日本銀行(日銀)が決めます。
2007年~2008年は日本ではガソリンが毎日のように値上がっていくのに連動して金利を上げることはせず、ゼロに近い金利のままでした。そして、インフレ2%を政策にかかげている現状においても、金利を上げることはしていません。
以下のグラフから、アメリカとの違いが一目瞭然です。
このように、日本はインフレに対して機動的に金利を上げることができません。
インフレに対して機動的に金利を上げてくれる方が、お金も増やす側としてはいいですよね。
なぜ、米国は機動的に金利を機動的を上げられるのか
FRBは10%程度の保有率なので、インフレ政策で金利を上げても、アメリカの金融機関は困らないからです。米国債の保有は以下のとおり。
1位は日本、2位が中国であり、この2国で3分の1を占めています。3位イギリス、4位アイルランド、5位ルクセンブルグと続き、米国債は外国保有率が高いのです。
アメリカがインフレ政策で金利を上げると、現在米国債を保有している国々の米国債の価格は下がってしまいます。つまり、資産が目減りすることになります。
しかし、貿易の輸出入で使われる決済通貨は米ドルがメイン。このように各国が貿易で儲けたお金は主にドルで保有しています。しかし、ドルを現金で保有していても増えません。そこで、元本と利払いを米国が保証している米国債にしているわけです。
一方、日本の国債の大部分は日本の金融機関が保有しているので、金利が上がると金融機関が困る事態となります。具体的な理由は下記で解説しています。
» 預貯金のメリットとデメリットを整理した【脱・預貯金のススメ】
メリット③:米ドルが強いから
理由①と理由②が理解できれば簡単。米ドルが強い理由を実際の数字で確認すればOKです。
- 世界最大の経済大国:名目GDP構成比 23.9%
- 世界の基軸通貨:貿易取引通貨別比率(日本への輸入)74.6%
- 高い外貨準備シェア:外貨準備における通貨別シェア 63.4%
基本的な3つの理由について補足します。
世界最大の経済大国
外務省経済局「主要経済指標」(2021年6月)によると、2019年の名目GDP(国内総生産)の1位は米国で、24.4%。2位は中国で16.3%、3位は日本で5.8%となっています。
GDPとは、1年間に国内で生産されたモノやサービスの付加価値の総額で、景気や物価を見るときに重要な経済指標の1つです。
世界の基軸通貨
財務省「貿易取引通貨別比率(令和3年上半期)」によると、貿易取引通貨別比率の日本への輸入は75%、日本からの輸出も86%を占めています。
高い外貨準備シェア
IMF(国際通貨基金)「Currency Composition of Official Foreign Exchanges Reserves」によると、外貨準備における通貨別シェアは、55.6%と高い外貨準備シェアとなっています。
米国債の購入が出来る = 投資デビューができます
米国債を購入する理由をまとめました。最後に実際の購入方法についてお話をします。以下の2つが候補です。
- 証券会社から購入する
- 外貨建て保険に加入する
それぞれについて簡単に解説します。
証券会社から購入する
米国債の取り扱いがある国内の証券会社か購入するのが一般的かなと思います。
クレジットカードやポイント払いに対応していないので、どの証券会社でも大差はないですが、株式投資と並行したい方は使いやすい以下のネット証券がおすすめです。
外貨建て保険に加入する
外貨建て保険とは、払い込んだ保険料を米ドルといった外貨で運用する保険です。契約手続きをすれば、自動的に積立投資が可能です。また、クレジットカード払いができる場合もありますので、ポイントを貯めつつ米国債を購入したい人にはおすめです。
「外貨建て保険なんていらない」という人は損している【宣言】
「外貨建て保険はいらないのでしょうか?外貨建て保険に加入しようと思ったけど、大半は損するという話を聞いた。いるのか、いらないのか、どうしたらいいでしょう?」←こういった疑問に答えます。本記事では、外貨建て保険なんていらないという人が損している理由を語ります。
というわけで今回は以上です。
やるべきことを淡々と続けることが大切です。
ただ、株式投資と比較するとお金の増え方が控えめかもしれません。株式で増やしたい方はこちらをどうぞ。
「つみたてNISA」の始め方【つみたてNISA歴20カ月の私が解説します】
こんにちは、かづな先生です。つみたてNISA歴は20カ月。2020年12月の運用成績は20%ほど。私のノウハウを注ぎ込み、わかりやすく「つみたてNISA」始め方を解説します。
複利の効果を狙った株式投資法。年間40万円まで、積立投資で得た利益に税金がかからないので、投資初心者はまずこの枠を使いきるいいですよ。